猫を飼っているとさまざまなしつけをする必要があります。中でも多くの愛猫家を悩ませているのが、室内での猫のマーキング行為についてです。トイレを覚える前であればマーキングについてもやむを得ませんが、もし通常のおしっこはトイレでするのにマーキングは家の柱などにしてしまう場合には、トイレのしつけ以外に対策すべきことがあります。そこで今回は、猫が室内でマーキングしてしまう原因とその対策についてお話します。
マーキングの原因
マーキングとは、においの強いおしっこや体をこすりつけるなどの方法によりにおいを付ける行為や、爪でひっかいて印をつけることで他の猫とコミュニケーションをとるための手段をいいます。本来猫は野生にいるのが通常なので、マーキングをすることで自分のテリトリーであることを示し、パートナーを探していることを示す必要があります。
一方で、屋内で飼われている猫の場合には他の猫にこういったアピールをする必要がなく、自分のテリトリーを冒される心配もないため本来マーキングの必要はありません。それにもかかわらずマーキングをしてしまう場合には、猫が過ごしている家の中やその環境が原因の可能性があります。
マーキングの見分け方
猫のマーキングというとおしっこを壁や柱にかけることと考えると、通常の排泄としてのおしっことマーキングのためのおしっことの区別がつかないように思われます。しかし、猫は通常の排泄としておしっこをする場合とマーキングをする場合とではその体勢に違いがあります。
愛猫がトイレでおしっこをしている時によく観察してみるとわかるのですが、通常の排泄としてのおしっこの場合には健康な猫の場合であればおしりを下げた状態で行います。そのため、もし壁や柱におしりを下げた状態でおしっこをしている場合には単にトイレの位置を覚えていない可能性があります。その場合には今一度しつけ方法を見直してみましょう。
一方で、おしりを上に向けたまま尻尾を震わせて垂直におしっこを壁や柱にかけていた場合にはマーキングを行っていると考えられます。
マーキングの原因はストレス
愛猫が家の中でマーキングを行ってしまう原因の多くはストレスといわれています。マーキングすることで自分の周りに自分のにおいをつけて落ち着けようとします。これは、家の中に愛猫が安心できない何らかの原因があることを表しています。マーキングをし始めたタイミングで何か愛猫に環境の変化はありませんでしたか。たとえば、引っ越しや部屋の模様替え、愛用していた毛布の買替など、猫はにおいの変化にも敏感な生き物なので、こういった変化によりストレスが溜まった結果、マーキングすることで以前の環境に近づけようとします。
マーキング対策
愛猫にマーキングをやめさせたいと考えた場合、つい愛猫を叱ることでしつけようと考えてしまいがちですが、叱ることは逆効果になるのでしてはいけません。猫は叱りつけたとしても、何に対して叱られているのか理解することはできません。そのため、叱ることでストレスを増幅させてしまい、余計にマーキング行動が増えることになります。
愛猫の行動範囲を制限する
愛猫が不安になる原因のひとつとして、自分のテリトリーの安全が確保されていないという点があげられます。家の中の行動範囲が多ければその分安全を確保しなければならない範囲が増えるためストレスを溜めやすくなります。それを防ぐために、家具などのものを設置して愛猫の行動範囲を物理的に狭めてしまうという方法が効果的です。
マーキングされたところをきれいに清掃する
愛猫が壁や柱にマーキングしてしまった場合に、多少拭いた程度だとにおいが残されたま真になってしまいます。猫の嗅覚は人間の数万から数十万倍ともいわれており、人では感じ取れないにおいでも愛猫は感じ取れてしまいます。マーキングのにおいが少しでも残っていると、自分のテリトリーを守るために再度同じ場所にマーキングしにくる可能性が高くなります。
そのためマーキングされた場合にはその箇所を雑巾でしっかりと拭いてから洗濯用洗剤で綺麗に洗った後、しっかりすすいで汚れやにおいを落とします。その上で消毒用アルコールを拭き買ってしっかりと乾かします。清掃が終わったらしばらくの間愛猫がその場所に近づかないようにすることで、再度同じ場所にマーキングされるのを防ぐことができます。
猫のストレス対策
マーキングされにくい環境を作ることも大事ですが、根本的にマーキング問題を解決するにはマーキングになっている愛猫のストレスの原因を取り除いてあげる必要があります。爪とぎや清潔なトイレを設置するだけでなく、キャットタワーや猫用のハウスを設置するのが効果的です。
猫は高いところに上がりたがりますが、これは見晴らしの良いところにいることで安心感を得るためといわれています。そのため、キャットタワーを設置することで愛猫が安心感を覚えストレスは軽減されます。また、複数の猫を飼っている場合には落ち着ける場所を必要としているので、それぞれの愛猫用の猫ハウスがあるとよりストレスを減らすことが可能です。
まとめ
今回はマーキングの原因と対策や、愛猫のストレス解消方法についてお話していきました。マーキング行為を減らすにはその行動自体を叱るより、マーキング行動の原因となっているストレスを減らすことが効果的です。ストレスを溜めない環境づくりの一環として愛猫の行動範囲を狭めるという方法や、キャットタワーや猫ハウスを設置して愛猫が安心できる場所を作ってあげると、より安心感が高まります。
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